北の国から”シロクマのtokidoki通信”No.24【五月の羊蹄山 ザラメの大斜面を滑走 第2段】

羊蹄山のお鉢の底のA元さん
羊蹄山のお鉢の底のA元さん

【山行形態】 山スキー

【日  時】 2013年5月18日(土)

【場  所】 北海道 羊蹄山(比羅夫ルート )

【メンバー】 A元(会友)、I江 計2名   ※Lは他会メンバー  計画書は他会にて提出

【天  候】 高曇りぎみの晴れ

【行動概要】

 先週、真狩側の神社の沢ルートから今月分の羊蹄山山頂を踏んだので、「毎月羊蹄山山頂に登ろう計画?」上はあわてる必要はないが、先週下見をした比羅夫ルートは羊蹄山主要4ルートの内最後に残した場所でぜひとも雪のあるうちに行きたいところ。比羅夫ルートは北西面で厳冬期・冬期は気象条件が厳しく、スキーで山頂まで行ける時期は限られる。このところの好天でどんどん雪が解けていく中、天候が安定し行けるようなら今週末に行こうと考え、A元さんに相談したところ、土曜ならOKということで、二週続けて羊蹄山に臨むことにした。

 先週の南面の真狩側からの羊蹄山は、好天で気温が上がり、雪も緩み、体力的にもきつかったことから、今回は、前日金曜日京極山荘泊まり、土曜の早朝に出発し雪の締まっているうちに高度を上げる計画とした。

 当日は快晴というわけにはいかなかったが、高曇り気味の晴れのもと、先週に引き続き、気持ちよくザラメの大斜面を楽しむことができた。

 結果、 これで、積雪期(1月~5月)に羊蹄山山頂を主要4方向すべてから登頂したこととなり、大満足な山行となった。(積雪期(1月~5月)の成果 4方向、計6回のログはこの報告最後に掲載)

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<5/17(金)>
 夕方札幌を出発。買い物を済まし羊蹄山に向かい、比羅夫登山口付近を偵察したのち、京極山荘に入った。
<5/18(土)>
 朝4時45分に京極山荘を出発し、20分ほどで比羅夫登山口駐車場に到着。身支度をして5時30分に出発した。今日のルートは、比羅夫の夏道沿いではなく、夏道のある大きな尾根を回り込み南側の斜面を登り滑る計画だ。尾根の回り込みは林道沿いで分かりやすく順調に回り込んだ。南側の斜面下部をしばらく行くと正面に羊蹄山が木の間に見えるようになった。高度を700mまで上げるといよいよ滑る予定の斜面が見えてきた、大きな斜面だ。ただ、上のほうはハイマツなのか一部黒くなっているのが気になるところ。(先週は上まで真っ白だったのにやはり一週間でずいぶん雪解けが進んでいるようだ。)今回は先週より出発を早めたこともあり雪も緩みすぎず、また、風が少しあることから快適でどんどん高度を上げていく。そのうち登っている斜面の雪面の上端が見えてきたことから、途中1450m付近で夏道となっている細い藪尾根を超え尾根の左側ルートを偵察、少しはましそうであったがこちらも上まで続いているか判然としない。(後で、遠望で確認すると、こちらのルートのほうが高標高まで繋がっていた可能性は高い。)二人で協議し、結局下りのことも考え当初のルートをそのまま詰めることとした。ちなみに左側ルートの中盤(1400m以下)は、ある程度幅はあるものの片斜面で大きくうねっておりあまり快適な感じはしない。滑りを楽しむなら今回のルートだろうと思う。ということで、登ってきた斜面をそのまま詰めるが、次第にダケカンバの灌木が出てきて、最後に1650m付近でガレとなる。一週間前ならまだ繋がっていたかもと思えるような融け具合であった、残念!!。しばらくスキーを手に持ち進むと、1690m付近で羊蹄山避難小屋に向かう夏道にあたる。ここでスキーをザックに着け、残り標高差160mほどをツボで登り、11時5分、登山口から5時間35分で真狩側ピークに到達した。
 山頂付近はまだしっかり雪におおわれていたが、最高地点付近の外輪の岩は先週に比べずいぶんと黒々としていた。山頂からはアンヌプリなど周囲の山々や噴火湾、日本海などがよく見え、いつもながらその景色は素晴らしい。さっそく身支度を整え、I江が先週あきらめたお鉢に滑り込むこととする。A元さんは僕は先週済ませたからといいつつ結局付き合ってくれた。ありがたい。お鉢は適度な斜面で快適に滑り降り、外輪を見回す。なかなか良い景色だ。20分強で登り返し、山頂で食事を取り、下山・滑走の準備を整える。

 下山は山頂からスキーを履いて出発、窪地の雪を拾い高度を下げる。1700m付近でいったんスキーをはずし、ツボ足でザレを進み、1650m付近で再びスキーを着ける。ここから、いよいよ大滑走の始まりだ。最初こそ、灌木もあり少し慎重に進むが、あとは一気に斜面を飛ばす。今回は写真撮影もそこそこに、A元、I江ともしっかり滑りを楽しんだ。適度の傾斜(35から30度くらいか)が続き、雪面もきれいで申し分ない。各自大きなターンで高度を下げていく。傾斜が緩くなる標高570mでいったん休憩、滑ってきた斜面を振り返る。登りのトレースを追ったため少し左右に振れたが、滑降開始地点からほぼまっすぐに滑降することが可能だったと思われる。標高差約1100mほどのほぼ無立木の大斜面、なかなかなの斜面である。あとは植林地帯などの緩傾斜を滑り尾根を回り込み13時45分比羅夫登山口駐車場に到着した。雪シーズンの「毎月羊蹄山山頂に登ろう計画?」をザラメの大斜面で締めくくることができ、大満足であった。これで、積雪期の羊蹄山山頂を主要4方向から登頂することができた。
 先週は、インフルエンザ明けでもあり、へろへろで少し気落ちしていたが、今回はしっかり登り、滑ることができ、これで気持ちも持ち直すことができた。A元さんには私のわがままにお付き合いいただき二週続けての羊蹄山となり申し訳ありませんでした。ありがとうございます。

 

【行程】

<5/17(金)>

夕方札幌から羊蹄山山麓へ。比羅夫登山口を偵察後、京極山荘へ(泊)
<5/18(土)>
5:05比羅夫登山口駐車場(360m)5:30→6:25(500m)6:35→6:57スキーアイゼン装着(670m)→7:35(880m)7:50→9:15夏道左ルート偵察(1450m)9:35→10:20雪切れ(1650m)→10:25スキーザックに装着(1690m)10:30→11:05羊蹄山比羅夫側ピーク(1850m)11:20→11:25お鉢(1700m)11:35→12:00羊蹄山比羅夫側ピーク(1850m)12:20→12:40スキー滑走開始(1650m)→13:00(570m)13:10→13:45比羅夫登山口駐車場(360m)
※この後、倶知安のそば処「羊蹄山」でそばをたべ、温泉に入り札幌へ

【フォトギャラリー】

比羅夫ルート5/18の様子 5/10と比べると一週間でずいぶん解けている。
比羅夫ルート5/18の様子 5/10と比べると一週間でずいぶん解けている。
比羅夫ルート、先週5/10の様子しっかり山頂まで雪がついていた。
比羅夫ルート、先週5/10の様子しっかり山頂まで雪がついていた。

【今回滑ったルート】

               今回の滑走ルート
               今回の滑走ルート

【今回のGPSのログ】

【「毎月羊蹄山山頂に登ろう計画?」の1月から5月までの成果】

     1月から5月まで、主要4方向すべてから、合計6回羊蹄山山頂に登頂。
     1月から5月まで、主要4方向すべてから、合計6回羊蹄山山頂に登頂。

 <登頂ルート>      <山頂・最高到達地点>       <スキーデポ・滑走地点>  

①京極ルート                       最高標高点(1898m)     スキーデポ・滑走地点1550m

②喜茂別ルート                      最高標高点(1898m)     スキーデポ・滑走地点 1500m 

③真狩ルート                       真狩側ピーク(1840m)        スキーデポ・滑走地点 1270m

④京極ルート                       京極側ピーク(1893m)        スキーデポ・滑走地点 1450m

⑤真狩(神社の沢)ルート   真狩側ピーク(1840m)   滑走地点  真狩側ピーク

⑥比羅夫(夏道南側斜面)ルート 比羅夫側ピーク(1850m) 滑走地点 比羅夫側ピーク+お鉢 )

 

※「北の国から”シロクマのtokidoki通信”」は、2012年7月に北海道に住むこととなったⅠ江が、会の皆さんに忘れられないよう北海道の山やスキー、自然の情報を不定期に発信しすることを目的に、”季節時々(tokidoki)の北海道の情報”を、”ときどき(tokidoki)”、載せていく”予定”のこのブログ上のバャーチャル(仮想)の通信です。 (2012年7月16日創刊)

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