小仙丈沢で"沢登り+お楽しみ" 山行!!

T本さんが担ぎ上げてくれた豪華な食材の炭火串焼き
T本さんが担ぎ上げてくれた豪華な食材の炭火串焼き

【山行形態】 沢登り

【日  時】 2014年8月2日(土)~8月3日(日)

【場  所】 南アルプス北部 小仙丈沢

【メンバー】 T本(L)S藤(SL)、H瀬、H野、T田(清)、T田(敏)、I江 計7名  

【天  候】 8/2曇り時々雨のち晴れ、8/3曇り時々霧

【行動概要】

 T本さんが"沢登り+お楽しみ"山行を企画されたので、参加させてもらった。出発は、伊那市(旧長谷村)の仙流荘となる。時間的に余裕のあるメンバーは前日に仙流荘泊。残りのメンバーはそれぞれ仕事を終えてから駆けつけ、駐車場での仮眠となった。

<8/2日>

北沢峠にはシャトルバスでしか入れないので、仙流荘前バス停付近は6時ころから朝一番のバスで北沢峠に上がる人たちでにぎわっている。一便は臨時バスがたくさん出たようだ。

 我々が遡行する小仙丈沢は北沢峠経由で日帰りできる沢だか、今回は沢中で一泊し楽しむ計画だ。今日の行程は短く第2便のバスの予定なので朝8時前にバス停に全員集合。予定通り8時の定期のバスに乗り北沢峠に8時45分到着。峠ではトイレを済まし身支度後出発。(峠では県の方が携帯トイレの配布を行っていた。)小仙丈沢出合まではしばらく林道歩きとなる。野呂川出会いのバス停前を右折ししばらく進むと小仙丈沢の入渓地点(1785付近)となる。沢装備を付け身支度をし早速入渓。当初の予定では、2000m手前の幕営予定地には楽勝で着くはずであったが、春先の雪崩の影響か倒木がすさまじい。木をくぐったり、またいだりしながら、一時間弱かかり11時10分頃予定の1960m付近の幕営地に到着。ここは谷が少し広がり一段上がった斜面に何段かに分かれ草地が広がっていた。噂通り素敵なテント場だ。上流には明日攀る二つの大滝も見える。

3張のテントとツェルトを張り終え、H野、S藤の釣り班はもう一度下流へ下っていた。残りのメンバーで薪を集め、夕食の準備に取り掛かる。途中雨で中断するがたき火も火がつきオキがしっかりとできたころ、釣り班も帰還。成果は立派なイワナが一匹であった。夕食はリーダーT本さんがザックいっぱいに運んできた肉や野菜の串の炭火焼きなどで豪勢な夕食になった。雨がなかなかやまないので、立ちながらの食事であったが、たき火を囲んでの楽しい夕食となった。寝る頃には雨も上がり星空となる。明日の遡行の成功を確信し、就寝した。

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流木を集めてのたき火は沢登りの醍醐味 雨の中でもみんな笑顔!
流木を集めてのたき火は沢登りの醍醐味 雨の中でもみんな笑顔!
串焼きもたき火で料理します。 撮影:H瀬さん
串焼きもたき火で料理します。 撮影:H瀬さん
仕上げはT本シェフが慎重に焼き上げる
仕上げはT本シェフが慎重に焼き上げる
イワナの塩焼き
イワナの塩焼き
北岳にかかる虹(イメージよりとがっているので、現地では甲斐駒との説も出たが・・・)
北岳にかかる虹(イメージよりとがっているので、現地では甲斐駒との説も出たが・・・)

<8/3>

翌日は4時起床、もちいりラーメンで力をつけ、6時前に出発。間もなく一つ目の大滝下に到着、この滝は二段になっているが、下部は左岸よりを直登、中段から左岸右手から入る支沢を使い滝上に問題なく到達、暫く行くともう一つの大滝に出会う。この滝はなかなか立派だ。三段に分かれて落ちている。滝の右岸の草着きの斜面を登ることとするが、ここは安全を見てザイルを使用。トップはS藤さん、確実な手足さばきで、途中残置ハーケン等を使い何点か支点を取り登りきる。40mザイルがほぼ伸びきる距離だった。この後ザイルをフィックスし、順次プルージックやアッセンダーをセットし間をあけて登高した。7人全員の通過には約40程度かかった。この後も沢を詰めるが大きな滝はなくだんだん源流ぽくなり、やがて水は消え、ガレとなる。

後で考えると、どうもこの途中のナナカマドの藪の中で詰める沢を間違えたと思われるがこのときは気が付かない。ガレ場を登りハイマツの塊を何とか突き切ると、カールの底に出た。ただ、そこは想定した場所よりずいぶんと上部であり、予定していた小仙丈岳と仙丈ケ岳のコルに上がるには、急なカール斜面を横切りながら降る必要がある。みんなで地形を観察し登れそうなガレ場に目星をつけ、そこを登ることとした。カール内はいろいろと高山植物が咲き誇っていた。なかなか素晴らしい。お花畑のふちに黄色のネットと監視指導撮影カメラが設置されていた。どうもシカの食害対策のネットのようだが、なぜかまだ、寝かされたままであった。

カール壁の急なガレ場を落石に気をつけ登り切り、稜線へ。予定よりずいぶん仙丈ケ岳に近い場所に上がったことになる。まずはみんなで沢の完登を祝福したのち、急ぎ各自沢装備を解き下山準備。できれば、13時の定期バスに乗りたいのだか、時間的にはぎりぎりアウトかといった感じ。でも、可能性はゼロではないので早足で下る。先頭のH野、S藤、T本、H瀬、どんどん飛ばしていくので、自分は膝に故障を抱えているので無理はできないが離されないように頑張ってついていく。12時55分頃先頭が北沢峠に到着。バスはまだ乗れるという。ラストも含め何とか間に合い、13時の定期バスで北沢峠を離れた。2時前には仙流荘前バス停に到着。今回の山行は無事完結した。

 今回は、「明るい沢でゆっくりと贅沢に泊り、沢を登る」がリーダーのコンセプトだと聞いた。まさにコンセプト通りの山行であり、個人的には久しぶりのたき火もでき、しっかりと”山行”を楽しまさせていただいた。

沢づめルートの間違いは文字通り”詰めの甘さ”ではあったが、カール壁のザレ場を登りよき経験となった。(なお、あとで確認したが、GPSもちょうどあのあたりは感度が悪くトラックが混乱しており、GPS確認しても同じような結果であった可能性は高い。一方、もう少し、方位を細かく気にしていたら途中でルートのズレに気が付いてかもしれない。ただ、この場合でも気が付いてから修正は樹林帯の横断となり難しかったと思われる)

 リーダーのT本さんをはじめ、参加の皆様に感謝を申し上げ報告を終わります。                       

                          (報告 I江)

 

 

 

出発前に一枚。奥に大滝が見える。
出発前に一枚。奥に大滝が見える。
第一の大滝
第一の大滝
第二の大滝
第二の大滝
第二の大滝の右岸の草付を攀じる。
第二の大滝の右岸の草付を攀じる。
上流部を行く
上流部を行く
ハイマツをぬけカール底へ
ハイマツをぬけカール底へ
カール壁のガレ場を進む
カール壁のガレ場を進む
稜線到着
稜線到着
仙流荘前バス停到着。 お疲れ様でした。
仙流荘前バス停到着。 お疲れ様でした。

【行 程】

(8/2)

8:00仙流荘前シャトルバスバス停→8:45北沢峠8:50→9:35野呂川出合→10:05小仙丈沢出合入渓地点10:25→11:10テントサイト(1960m)

 

(8/3)

4:00起床・テントサイト(1960m)5:45→6:20第一の大滝通過→6:40第二の大滝下→7:25第二の大滝上7:30→8:55源頭(2525m付近)9:05→10:05カール底(2750m)1020→10:50主稜線11:05→→12:55北沢峠13:00→13:50仙流荘前シャトルバスバス停 ※解散

 

【GPSトラックデータ】

8/2赤、8/3緑
8/2赤、8/3緑

※ 肝心の詰めの部分でGPSデータが混乱している。なぜか予定したルートにトレースされており、その場で確認していてもそのまま行った可能性は高い。

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コメント: 1
  • #1

    M森 (木曜日, 28 8月 2014 19:26)

    なかなか立派な滝があるのですね。沢でのたき火の楽しさが伝わってきます。

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