Whumpf sounds at 安房山

【日時】   2016年2月11日(木)

【場所】   安房山

【メンバー】 N谷(L、報告)、K子、T置

【天候】   快晴無風

【概要】 
平湯から安房山山頂を経由して、パウダーメッカの北斜面シーハイルルートの滑走を目指した。
平湯エリアは先週末の晴天から今週前半はまとまった降雪があり、10日日中(水)は晴天だった模様、雪の状態が心配ではあったものの前々から気になっていた場所、期待に胸を膨らませながら挑む。

水曜夜東京発、沢渡第二駐車場0時過ぎ着、0:30就寝。
道路脇の温度計はマイナス12℃、寒い、この冬一番の寒さに震えつつ、そそくさとテントを設営し寝袋にくるまる。
よーし、今日は3時間寝れるぞ。
03:45起床、04:30平湯へ向け移動を開始。


05:00除雪終点着~05:30行動開始~07:10安房山南西尾根取り付き

 

先行者は単独の一名のみ。我々より20分ほど早く行動を開始した模様。
ヘッテン着けていざ行動開始。
先行者のトレースはワサビ谷へ向かっていたため、以降は脛ラッセル。
今日の戻りのルート、安房峠からアカンダナ山麓をトラバースし国道と合流する地点を確認しつつ、淡々と国道沿いを進む。
今日は比較的長めのコース、ゆっくり進む。
日が出てきたが、日陰は寒いぜ。
しかし、6時過ぎくらいから空が明るみ始め、日の出も大分早くなった気がする。
もう春はすぐそこまできてしまったのか・・・・。

 

安房山南西尾根取り付き07:20~10:00安房山直下鞍部着

 

さてここからは少し急な登高が続く、頑張りましょう。
黙々とラッセルをこなし、高度を稼いでいく。
しかし、先頭でラッセルをしていると、1,900mを過ぎたあたりから時折雪面に2~3mのクラックが入る箇所が散見されるよになる。また、時折”ボワッ”、”ボフッ”と不気味なワッフ音が雪面から聞こえてくる。
あぁ、こりゃ今日は開けた斜面の滑走は無理かもしれない、今日はドロップポイントの確認までとするか、せめて山頂までは行きたいな、他のパーティーが滑走していたら悔しいな・・・悶々としながら鞍部を目指す。

 

 

鞍部へのトラバースは、雪の状態が不安定であることから木が生えている高めのポイントから巻くこととした。反対側の山頂付近の電波塔が見える、あと少しだ。

北向きの日陰の斜面をシールを付けたまま鞍部へ滑り込む際もワッフ音を確認、もう勘弁してくださいよ・・・。
今日は相当雪が不安定みたいだ。これ以上進むのはリスクが高い。
鞍部到着後メンバーと協議した結果、山頂へ続く最後の登高の取り付きまでは行って様子をみることに。
しかし、20mも進まないうちに、”ボスンッ!!”と今日一番の腹に響くようなワッフ音を確認。
きっと山の神様が、君たちおとなしく帰りなさい、今日は危険だぜ、と言っているのでしょう。
その場で下山を決定。

 

さはさりながら、こんなに不安定な斜面の積雪状況は一体どうなっているのか?
木に支点を確保し、先ほどワッフ音が聞こえた斜面に入りピットチェックを実施。結果、雪柱の背面にスノーソーを入れた瞬間、雪面上部15cmほどの層がバッサリ切れ落ちた。南面斜面とは言え、これほどの弱層を目視したのは初めて。

 

11:30鞍部発~13:50行動終了
登高した斜面上部でもワッフ音、クラックを確認していたので、復路も慎重に。樹林帯を選びつつも、一人づつ順番に滑走。
尾根取り付きまで降りたときは、緊張感から解放されてどっと疲れが出た・・・。

行動終了時にちょうど先行していた単独の方が帰宅準備中、少し会話。
どうやら十石山山頂から滑走したとのこと、羨ましい。
ひょっとして、安房山北斜面は行けたかもしれない。
しかし、我々の実力感、経験値踏まえ、我々はきっと突っ込んではいけない日だったのでしょう。
色々と勉強になる、考えさせられる山行になりました。
コンディションが良い時に改めて挑戦するぜ。

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