朝日岳・雪倉岳

山域・山名:後立山連峰 朝日岳,雪倉岳

期日:52日(木)~5日(日)

山行形態:山スキー

メンバー:M(L)I()

行程:【5/2()】 栂池自然園ロープウェイ駅0930発~1100天狗原~1120振子沢上部斜面(※ピットチェック)12201250中ノ沢分岐~1340蓮華温泉着

【5/3()】蓮華温泉0440発~0550瀬戸川鉄橋06200700ヒョウタン池(※泊装備デポ)07300830白高地沢二俣~0900第一台地(白高地沢右岸)0950第二台地(同左岸)1130朝日岳11501340ヒョウタン池着

【5/4()】ヒョウタン池0430発~0540標高1,538m0910標高2,237m西~1020雪倉岳10501150ヒョウタン池(※装備回収)12201250瀬戸川鉄橋~1350兵馬ノ平~1510蓮華温泉着

【5/5()】蓮華温泉0430発~0620振子沢~0800天狗原~0840栂の森ゴンドラ駅着

 

『GW後半、四日間の日程でこの時期の山スキーエリアとして名高い朝日岳・雪倉岳を訪れました。初日は栂池より入山後、天狗原より蓮華温泉に下り泊、二日目にヒョウタン池まで進み、泊り装備をデポ後に朝日岳を往復してツェルト泊、三日目は雪倉岳往復後、装備を回収し蓮華温泉泊、四日目に栂池に戻る計画です。

長い行程に連日ヘロヘロ状態でしたが、天候にも恵まれ雄大な眺望の下、どこまでも拡がる広大な斜面の快適な滑走、そして静かな山の出湯と心尽くしのもてなしを満喫した至福の四日間となりました。

以下に概要を報告させていただきます。』

【5/2() 小雨のち晴れ】

前夜サンサンパークにて仮眠後、栂池高原スキー場へ移動。雨も上がり晴れ間ものぞく中、ゴンドラ・ロープウェイを乗り継ぎ自然園へ。天狗原を横切り、振子沢上部の北斜面でピットチェックを行う。雪面から50cm程下に旧雪層との接合面が確認されたが、四角柱を切り出し肩支点で力を加えても破断せず、上部積雪含めて結合状況は比較的堅固な様子。

 千国揚尾根を右手に見ながら、広い振子沢を沢身を避けつつ滑走。尾根上には木々に囲まれた風吹大池も望まれる。雪面も程良く緩み、斜度も手頃で至極快適な滑走が続く。標高1,800m付近で蓮華温泉への指導標に導かれ進路をやや西寄りに変え、中ノ沢右岸より車道に出る。蓮華温泉では鯉幟のお出迎え。雪倉岳を正面に望むきれいな部屋で乾杯。足を延ばした仙気ノ湯からの絶景にも感動。夕餉は土地の食材を活かした逸品が並ぶ。ふき味噌でいただくトンカツに舌鼓。

【5/3 () 晴れ】

 3時に起床し、前日準備いただいた朝食のおにぎりを食堂でいただき、明るくなった4時半過ぎに出発。気温5℃。蓮華の森、兵馬ノ平を経て、略夏道沿いを瀬戸川に架かる鉄橋に向けて滑走。橋の手前では、雪面も堅く傾斜もあることに加えて、基礎に続くブロックがやや不安定なためアイゼン装着。対岸からは、尾根を進み白高地沢右岸台地上のヒョウタン池に到る。

 食材等泊り道具一式を、幹の直径2mはあろうかという巨木の根元にデポして、朝日岳に向かう。白高地沢二俣から、第一台地、第二台地と高度を上げ、浅いカール状の大斜面を喘ぎながら登高し山頂に辿り着く。途中、接着不良でテープで補強した片側のシールも何とか持ち堪えてくれ感謝。

 登路より望まれた、山頂やや南側より白高地沢へと一気に高度を下げる直線的なラインが眼を惹くが、少し傾斜もありそうなので、略往路沿いに滑走することとする。風の強い山頂から反時計回りに高度を下げ、広大な雪倉岳の北面を眺めながらの快適な滑走が続く。

 泊り場のヒョウタン池台地に滑り込み、本山行第一優先の朝日岳滑走を祝して乾杯。ツェルトを張り、たっぷりと吸水したシールを午後の陽射しで乾かす。夕餉は、新玉・スナップエンドウなど庭の菜園で収穫した野菜類が主役の一汁三菜。ヒョウタン池の銘水での炊飯はやや微妙な炊き加減・・・。

第二台地より雪倉岳(左)~朝日岳の主脈稜線を望む
第二台地より雪倉岳(左)~朝日岳の主脈稜線を望む

5/4 () 快晴】

 今日は、雪倉岳の北面滑走と、全装での瀬戸川からの辛い登り返しに加え、15時までの到着推奨の掲示(蓮華温泉)もあり、タイトなスケジュール。230分起床。昨日の残りご飯に、コンソメ・ネギ塩ベースの具沢山餅入り雑炊を腹に収め、ツェルトを撤収して430分出発。気温△5℃。クトー装着。

 昨日同様白高地沢右岸を進み、二俣手前で左に折れる。シールで登り易そうなところにルートを求めるが、下部は結構地形が複雑で、途中二箇所ほどスキーを担ぐ。北面往復の場合は、二俣から赤男山に突き上げる左俣を中段まで詰めるのが登り易そうな印象。標高2,250m付近よりの北東大斜面を今日もヨレヨレになりながら何とか登り、這い出たところが主脈稜線。傾斜も緩む中ピークに到る。

 雪倉岳は山行中の最高地点だけに眺望も秀逸。北東には妙高・火打から雨飾に到る頚城・海谷山塊、北には朝日岳から日本海へと少しずつ高度を落とす栂海の山並み、西には黒部谷を隔てた立山連峰や剱北方稜線などの大パノラマが展開。南の白馬の横に頭を覗かせた旭岳の鋭峰も印象的。

 滑走は登高時の雪付きの状況等も考慮して、略真北方向に進路を採る。昨日の朝日以上の広大な斜面が延々と続く。途中一箇所ハイマツ帯を横断したのみで、スキーの機動力を実感できた快適な滑走となった。

 ヒョウタン池で装備回収後、蓮華温泉へと向かう。瀬戸川から兵馬ノ平への登りは、聞きしに勝る試練となった。足取りは重く、ボロボロ状態で何とか宿に到着し、売店で求めたコーラの味は寒露の一語。温泉に浸かり人心地付いた後、改めてビールで二座滑走の祝杯を上げる。

 夕餉は魚のフライ。タルタルソースの酸味に食がすすむ。きのこの味噌汁と、糸魚川産コシヒカリが美味。再度風呂に浸かり、硫黄泉を堪能。

雪倉岳北面ルート(標高1,850m付近より)※中央は赤男山
雪倉岳北面ルート(標高1,850m付近より)※中央は赤男山

【5/5 () 快晴】

 3時起床。食堂で朝の弁当をいただき、430分に二泊お世話になった蓮華温泉を辞す。気温2℃。

 中ノ沢から振子沢へとトラバース気味に登り返し、天狗原に到る。途中、振り返ると蓮華温泉からも存在感満点だった五輪山が朝陽を受けて、何とも言われぬ美しさだった。二日間、ガムテープでぐるぐる巻きとなったシールは暖かい宿で接着力をやや回復し、最終日の登りもテープの補強とクトーの併用で踏ん張ってくれて唯々感謝。

 天狗原からは最後の滑走。少し時間が早かったため、部分的に雪が緩み切っていない箇所もあり慎重に滑り、ゴンドラ栂の森駅に到着。

気象庁HPより

5月2日9時

白馬アメダス10.7℃

前日は日中小雨あり。

東日本は等圧線の間隔が狭く、

白馬付近の稜線は雲に覆われ、天狗原も風が強かった。

5月3日9時

白馬アメダス17.0℃

昨日より数度気温上昇。11時半に着いた朝日岳山頂は、まだ風が強く、上空に雲があり、長居出来る雰囲気でなかった。

 

5月4日9時

白馬アメダス15℃

本州付近に高気圧の中心。

稜線も風は治まり、快晴、雪倉岳山頂も春山の雰囲気だった。

5月5日9時

白馬アメダス17.2℃

早朝は振子沢下部のトラバースは雪が固く緊張する箇所あり。天狗原につくころは気温上がり、雪は緩んだ。

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