2025/6/7 日原川倉沢谷

山域:日原川倉沢谷

期日:67()  ※曇り

メンバー:H(講師・L),

 AM,I()

概要:沢登り中の事故防止

 と事故対応訓練

 

『近年になく積雪に恵まれ、長く楽しめた今年のスキーシーズンもそろそろ閉幕。入梅を間近に控えた6月上旬の週末、奥多摩日原川倉沢谷でH間さんを講師に沢登り講習会が開催されました。重大事故に繋がり易く、事故が発生した場合の対応も困難な場合が多い沢登りにおける、事故防止・事故発生時対応技術の確認と修得に向けた訓練との位置付けです。

以下に当日の概要をご報告致します。』

林道入口のゲート前に車を駐め、入渓前に基本的なロープの結び方や各種システムについての確認を兼ねてレクチャーいただく。事前課題に対する理解度・習熟度ともに不十分で、実用レベルには程遠い状態にあることが露呈するなど反省頻り・・・。荷重方向によるカラビナ強度、フリクションコードのお薦めの素材、立木を支点にする場合のスリングの巻き方等々についてもわかりやすく解説いただいた。

続いて、救助活動で多用される、ムンターヒッチ・ミュールノットによる要救助者の確保や、1/3システムによる引き上げのシミュレーション訓練。後者の場合、極力高い位置から鉛直方向に引くことが出来れば力が伝わりやすいことや、フリクションノットの反転防止など実践的な解説付きで大変参考になった。

続いて沢に降り立ち、実際の山行中に起こり得るアクシデントへの対応を確認する。先ずは、遡行中に水没した同行者の水からの引き上げ・救護。地形や水流等を考慮して、最も適切な救助方法を素早く選定し、救助者サイドの安全を確保した上で、如何に迅速に対応していくことが出来るか、反復訓練の必要性を痛感した。

※ポイントとしては、事故に備えた地形観察(瞬時の判断),パーティー編成は3名から(救助体制),ロープは末端を出してザック上部に収納(エコバッグの活用),岩も支点に(長めスリングかメインでブーリン)

次に急流の徒渉。安全に徒渉できる場所の選定と、水勢が強く流された場合に備えて下流側でロープを手繰れるよう確保。

最後に、林道への斜面を利用して、懸垂下降と登り返しを実施。バックアップロープで確保し、手繰り懸垂で下降後、下降器のATCをガイドモードに掛け替え、フリクションノットに連結したスリングに足を掛け登り返し。

※ポイント:フリクションノットでのバックアップの位置は下降器の下がベター,ロープ径等から巻き数や方式を選択,足に掛けるスリングは長すぎると高度が稼げない

 林道経由でゲート前の駐車スペースに戻り、持参した衛星携帯での通報訓練を行い、盛り沢山の講習を終了。

『時間の経過や当日の水温から、泳ぎや滝の登攀、要救助者の引き上げ訓練等は次回持ち越しとなりましたが、とても密度の濃い講習会となりました。講習会の企画からカリキュラムの策定、実践的なノウハウ満載の当日の指導までご対応いただきました、H間さんAM男さんに感謝申し上げます。』

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