2025年
6月
16日
月
山域:日原川倉沢谷
期日:6月7日(土) ※曇り
メンバー:H間(講師・L),
A部M男,I松(記)
概要:沢登り中の事故防止
と事故対応訓練
『近年になく積雪に恵まれ、長く楽しめた今年のスキーシーズンもそろそろ閉幕。入梅を間近に控えた6月上旬の週末、奥多摩日原川倉沢谷でH間さんを講師に沢登り講習会が開催されました。重大事故に繋がり易く、事故が発生した場合の対応も困難な場合が多い沢登りにおける、事故防止・事故発生時対応技術の確認と修得に向けた訓練との位置付けです。
以下に当日の概要をご報告致します。』
林道入口のゲート前に車を駐め、入渓前に基本的なロープの結び方や各種システムについての確認を兼ねてレクチャーいただく。事前課題に対する理解度・習熟度ともに不十分で、実用レベルには程遠い状態にあることが露呈するなど反省頻り・・・。荷重方向によるカラビナ強度、フリクションコードのお薦めの素材、立木を支点にする場合のスリングの巻き方等々についてもわかりやすく解説いただいた。
続いて、救助活動で多用される、ムンターヒッチ・ミュールノットによる要救助者の確保や、1/3システムによる引き上げのシミュレーション訓練。後者の場合、極力高い位置から鉛直方向に引くことが出来れば力が伝わりやすいことや、フリクションノットの反転防止など実践的な解説付きで大変参考になった。
続いて沢に降り立ち、実際の山行中に起こり得るアクシデントへの対応を確認する。先ずは、遡行中に水没した同行者の水からの引き上げ・救護。地形や水流等を考慮して、最も適切な救助方法を素早く選定し、救助者サイドの安全を確保した上で、如何に迅速に対応していくことが出来るか、反復訓練の必要性を痛感した。
※ポイントとしては、事故に備えた地形観察(瞬時の判断),パーティー編成は3名から(救助体制),ロープは末端を出してザック上部に収納(エコバッグの活用),岩も支点に(長めスリングかメインでブーリン)
次に急流の徒渉。安全に徒渉できる場所の選定と、水勢が強く流された場合に備えて下流側でロープを手繰れるよう確保。
最後に、林道への斜面を利用して、懸垂下降と登り返しを実施。バックアップロープで確保し、手繰り懸垂で下降後、下降器のATCをガイドモードに掛け替え、フリクションノットに連結したスリングに足を掛け登り返し。
※ポイント:フリクションノットでのバックアップの位置は下降器の下がベター,ロープ径等から巻き数や方式を選択,足に掛けるスリングは長すぎると高度が稼げない
林道経由でゲート前の駐車スペースに戻り、持参した衛星携帯での通報訓練を行い、盛り沢山の講習を終了。
『時間の経過や当日の水温から、泳ぎや滝の登攀、要救助者の引き上げ訓練等は次回持ち越しとなりましたが、とても密度の濃い講習会となりました。講習会の企画からカリキュラムの策定、実践的なノウハウ満載の当日の指導までご対応いただきました、H間さんA部M男さんに感謝申し上げます。』
2025年
5月
06日
火
【期間】2025/5/3(土)
【山域】頚城 火打山
【メンバー】Y本、A井(記)
【内容】
GW後半は軽量化して滑り重視で一本、とのことで笹ヶ峰から火打周回を計画した。Y本氏は下山後に奥様と近くの温泉周遊のご予定で、それぞれ自車で笹ヶ峰Pに現地集合。早目にでたつもりが関越渋滞に道間違いもあって現地着3時前。眠い目をこすりながらの出発となった。
黒沢を詰める予定だったが黒沢橋を超えたところで沢割れ。尾根通しに切り替えて高野池ヒュッテまで。寝不足のせいか身体が重い。ヒュッテで軽く燃料を補給し火打の肩までシール、そこからアイゼンに変えてピーク着。風はあるが快晴。北面台地から日本海、戸隠方面、北アルプス、お隣の焼山から金山~雨飾、と見事な展望。
下りは予定通り影火打とのコルから惣兵エ落谷へ。シートラでコルまで下りスキーに換装。影火打を少し回り込むと結構な大斜面。登りの不調もどこへやら、適度に緩んだ斜面を気持ちよく滑降。惣兵エ落谷も若干デブリがあるが雪はつながって滑りやすい。鍋倉谷に入ってヒコサの滝の手前から東側の台地に方向転換。トレースを拾いながら1㎞ほど推進滑走し、最後は短い沢を一段滑って笹ヶ峰西登山口に下山。遊歩道沿いに東登山口を少し超えたあたりで雪がなくなり、そこから20分ほどスキーを担いで笹ヶ峰Pに帰還。
6:00笹ヶ峰P発~7:00黒沢橋~10:30高野池ヒュッテ~12:30火打山~16:00笹ヶ峰P
2025年
5月
02日
金
【日程】2025/4/26(土)~28日(月)
【山域】立山周辺(剱沢~三ノ窓往復)
【メンバー】Y本、A井(記)
【内容】
GW前半は以前から気になっていた三ノ窓へ。
富山県への事前届(条例対象エリアは山行20日前までに計画書提出)はWeb申請で承認完了。Y本さんを高尾山口でピックアップし0時半過ぎに扇沢着。連休初日で無料駐車場はほぼ満車。最後の数枠に滑り込みセーフ。翌朝は5時過ぎにチケット売り場に並び6時半の始発に乗車。第一の核心を突破。
26日は強風予報だったが室堂はいたって平和。立山周辺を滑る予定のN野氏とばったり遭遇。インバウンドの観光客をすり抜けて雷鳥沢の野営場まで同行、ここで分かれて我々は別山乗越へ。稜線にあがると予報通りの強風。別山沢を滑って真砂沢ロッジあたりに幕営予定だったが、この風で全装背負ってシートラで別山までの稜線歩きはどうも気が乗らない。小屋で一休みしつつ相談し、無理せず剱沢に変更。剱沢もカリカリで気を使っての滑りだが、前を向けば剱と八ツ峰が壮観。とても良い。まもなく幕営地着。翌日に備えて少し早めに就寝。
翌日は今回メインの三ノ窓雪渓。不要な装備はデポし、まずは剱沢を二股へ。少し下ったところで沢芯が割れ始めたが、両岸の雪は豊富で安定。二股手前のスノーブリッジは薄く、あと1~2週間程度で崩れそう。ここはスキーを脱いでアイゼンで渡る。
三ノ窓雪渓も八ツ峰沿いに北方稜線まで突き上げて見事な景観。シールで登り始めたが、北俣を超えたあたりから結構なデブリでペースが上がらない。シールとアイゼンを切り替えつつ、最後の200mほどの急斜面はアイゼンで一気に三ノ窓へ。
微風快晴の登山日和。チンネと小窓の王に挟まれた贅沢な空間で景色を楽しんでから滑降開始。
上部300~400mくらいは重めだがそれなりに滑れる雪質。スラフをかわしつつ暫しお楽しみの時間。そこから下はデブリを避けながら修行に励むも、耐え切れず途中からシートラ。予定よりもだいぶ時間がかかってしまい、真砂沢でもう一泊。
最終日は剱沢を登り返して雷鳥沢を下り12時過ぎに室堂着。予報では午後から天気が崩れるとのこと。名残惜しいが早々にアルペンルートで扇沢へ下山。
夜はGヒュッテをベースに後立山、雨飾方面に入山していたT本パーティーに合流。N野氏も加わり、囲炉裏を囲んでT本シェフのジビエに山菜の天ぷらと潤沢な飲み物で時間を忘れて山談義。充実した山行となった。
4/26 6:30扇沢~9:00室堂~12:30剱御前小屋~14:30真砂沢ロッジ付近(幕営)
4/27 6:00発~7:00二股~13:00三ノ窓~14:50二股~16:00真砂沢ロッジ付近(幕営)
4/28 5:30発~9:00剱御前小屋、雪が緩むのを待って10時発~12:20室堂着
2025年
3月
16日
日
山域:西頸城海谷山塊 根知駒ヶ岳
期日:3月8日(土),9(日) ※曇り
メンバー:M森(L),Y氏,I松(記)
行程:・3/8:大神堂入口0920発~0940
除雪終了地点~1120登山口(標高600m)
~1300標高870m※ピットチェック
1400~1410着 BP(標高840m)
※イグルー製作
・3/9:BP 0730発~0840雪庇(標高980m)
~0930南西壁基部(標高1,110m)~1030 BP~1150着 大神堂入口
『姫川沿いのR148を東に折れた根知谷右岸に鎮座する根知駒ヶ岳。毎年新緑の時季に行われる山開きは多くの登山者で賑わう、地元糸魚川市民からも親しまれている海谷の名峰。頂上部西側には岩壁を擁し、冬季には大氷柱を懸ける強面の山容からも、山スキーとは無縁の存在のように思われるが、白山書房「山スキールート図集」にも掲載されている由緒正しきクラシックルート(の模様?)。
20年程前の同地在勤時に同ガイドを見て一度訪れましたが、雪深く上部に到るルートも不明瞭で門前払い状態でした。今回”頸城通”のM森さんから計画を伺い、当時の謎解きも兼ねて参加させていただきました。今回も山頂には届かず、西壁と南西壁とに囲まれた上部へと繋がる隘路となる逆三角形の急斜面の全貌は明かされませんでしたが、滑走のみならず、ツボ足ラッセルやイグルー製作に加えて雪庇の乗っ越しなど、剪定ノコやショベル等装備品もフル稼働のツアーとなりました。
以下に概要を報告させていただきます。』
天気予報では、直前にかなりの降雪も報じられていたが、入山地点の路上には薄く雪が積もっている程度で、ひょっとして核心部の急斜面が通過できるかもと仄かな期待が頭をよぎる。根知川を渡り、冬の原風景的な大神堂集落を過ぎると、程なく除雪終了地点。スキーを履いて林道敷~夏道に沿って進む。徐々に大岩壁が迫り、件の隘路も視認できるようになるが、正面の角度のない所から見る限り、かなり傾斜が強そうな印象。
752mピークより尾根状となるが、やや進むと雪稜風となり傾斜も増してきたためスキーを外す。ツボ足で暫く登るが、緩んだ雪に脚が埋まり登高を断念。もう一つのテーマであるイグルー製作に向け、シールを外して一段下がった小平地に滑り込む。A部(M)さんから事前に送っていただいた動画の内容にそって、φ1.5mの円を描き外縁に底面より切り出したブロックを並べる。ノコを垂直に入れると側面同士が干渉して上手く引き出せないので、テーパーを付けることがポイントとのことだが、これがなかなか難しい。内側へのせり出し方も同様で、かなりギャンブルしないと煙突状態からなかなか脱却できず、何時までも天井が塞がらない。製作に要した時間は、山での実用レベルといわれる40分を大きく上り、2時間かけて漸く完成。
※難しかった点,思ったようにならなかった点
・屋根葺き(薄く大きな雪片の切り出し)
・出入り口の掘り出し
・雪面以下の拡張(出入り口の設置もあり三人で寝るにはやや狭かった)
この辺りは、今後の経験値蓄積で、改善に期待。一方、良さを実感できた点も多々あり、調理時の水作用の雪が取り放題で、大変便利。(そのためか水を作り過ぎてしまい反省・・・)
夕餉は、野菜たっぷり肉団子鍋、八宝菜、ご飯。イグルー作りで消費したカロリーをチャージし、前夜の睡眠負債を解消すべく早めに就寝。底面を余り拡張できなかったため、内壁との接触や、内側の不陸修正にまで手が回らなかったことによる水滴落下等でやや濡れたものの、快適な一夜を過ごすことができた。
翌朝は、前夜と同じ具材による雑炊。早い時間帯は、雪も多少は締まり登り易いかもとの観測の下、上部へと足を伸ばす。一段シールで上がり、ツボに切り替える。前日ほど潜らず、途中雪庇の切り崩し演習も交えて、2時間程度で南西壁基部に到達。
視界も悪くここより下山とする。スキーデポ地点に戻り滑走に移るが、上部は薄皮モナカ状で、谷回り時は微妙に引っ掛かる難雪。それも高度を下げるに従い解消され、快適にターンが刻めるようになった。次第に重めの雪となるが林道敷も割と傾斜があり、思いの外スキーも良く滑り入山地点に戻ることができた。
『20年振りの謎の解明には到りませんでしたが、海谷の山懐に抱かれて、なかなか味わい深い山行となりました。イグルー作りは、より短時間・省エネで快適空間を創り出せるよう、稽古を積んでいく必要性を感じました。』
2025年
2月
16日
日
山域:小根子岳
期日:2月11日(火) ※雪
メンバー:Y氏(L),M森,I松(記)
行程:ゴルフ場手前0810発~0930避難小屋~1050小根子岳1110~1210着 ゴルフ場手前
『建国記念日の飛び石連休最終日は、暫く続いた強い冬型の気圧配置もやや緩むことも報じられていたことから、北西面のパウダーが期待できる小根子岳をめざすこととしました。
昨日の入山地点に比べると標高も高く、気温も低く感じられ、小雪の降り積もる中、爪先がピリピリする感覚とともにスタートします。』
コテージの建ち並ぶ中を東進し、ゴルフ場を横切りスキー場からの登下降路に合流する。左側の樹林が風を遮ってくれるが、高度を上げるにつれて北西風か強まる。視界も利かず、目の前の斜面の傾斜も判然とせず、足で探りながらの登高が続く。
略真東に進み小根子岳の山頂に到る。シールを外して滑走準備に入るが、吹きさらし山頂に長居は無用で、当初の目論見の北西面は次回に持ち越し、指導標に沿って往路を滑走する。雪質は良いが視界が得られず、暫くは我慢の滑りを強いられる。
避難小屋付近からは少し見通しも利くようになり、プチパウダーを堪能する。駐車スペースに滑り込むと、西側には青空も望まれた。
『メインディッシュの北西面滑走が果たせなかった分、早めに帰路ついたためか途中渋滞もなく帰京できましたが、乗車したJRの路線で、強風による倒木の影響で一部区間の運転が見合わせとなるなど、関東地方も風の強い一日だったようでした。』